65歳から25年受け取ると約400万円の差。ねんきん定期便を計算式で1円まで検算したうえでの数字です
20代の未納94か月で、老後の年金は毎年約16万円少なくなります。時効を過ぎた未納はもう納められませんが、60歳からの任意加入で一部を取り戻せます。約107万円払って年約10.6万円増え、約10年で元が取れる計算です。
20代、国民年金を払っていなかった
専門学校を卒業した20歳から28歳まで、20代のほとんどをバンド活動に注ぎ込んでいました。自分ひとりの暮らしだったこともあって、お金は全部、音楽の機材と、音楽関係の人たちとの付き合いに使っていました。年金のことなんて、どうでもいいと思っていたのが正直なところです。
国民年金の保険料は、20歳から60歳まで、会社員でない期間は自分で納めます。私の記録には、保険料が「全額免除」になった期間が15か月ある一方で、94か月(7年10か月)の未納が残っていました。
毎年、誕生月に届くねんきん定期便。そこに書いてある年金額が、未納の分だけ減っているのは分かっていました。でも、いくら減っているのか、そしてその数字が本当に正しいのかは、確かめたことがありませんでした。
まず、定期便の数字を信用していいか確かめる
定期便の2ページ目にある「これまでの年金加入期間」と「これまでの加入実績に応じた年金額」を使います。
| 定期便の欄 | 我が家の数字(2025年10月分まで) |
|---|---|
| 年金加入期間 | 厚生年金 90か月、国民年金 17か月(全額免除15か月・学生納付特例2か月) |
| 加入実績に応じた年金額 | 老齢基礎年金 168,939円、老齢厚生年金 178,128円 |
老齢基礎年金は、20歳から60歳までの480か月すべて納めると「満額」になり、足りない分だけ減ります。
老齢基礎年金 = 満額 ×(納付済の月数 + 全額免除の月数×1/2)÷ 480
- 会社員として厚生年金に入っていた月は「納付済」として数えます
- 全額免除の月は、2009年4月以降の分は半分として数えます(それより前は1/3)
- 学生納付特例と未納の月は0です
- 定期便が作られた2025年度の満額は 831,700円 でした
| 区分 | 月数 | 数え方 | 計算に使う月数 |
|---|---|---|---|
| 厚生年金(会社員の期間) | 90か月 | そのまま | 90 |
| 全額免除 | 15か月 | 1/2 | 7.5 |
| 学生納付特例 | 2か月 | 0 | 0 |
| 未納 | 94か月 | 0 | 0 |
| 合計 | 97.5 |
831,700円 × 97.5 ÷ 480 = 168,939.06…円 → 168,939円
定期便の老齢基礎年金は 168,939円。1円も違わずに一致しました。定期便の数字は、この式どおりに出ています。だから、このあとの「未納の代償」の計算も、同じ式で信用できます。
老齢厚生年金の方は、昔の給料を「再評価率」で今の価値に直す計算が入るため、手元で計算すると1%ほどずれました。目安には十分です。
未納94か月の代償
未納の94か月が全部「納付済」だったら、老齢基礎年金は次の分だけ多かった計算です。
831,700円 × 94 ÷ 480 ≒ 年162,874円
65歳から90歳まで受け取るとすると、25年で約400万円。1か月の未納が、年約1,700円ずつ老後の年金を削っていることになります。
未納の保険料は、2年の時効を過ぎると、あとから納めることはできません。全額免除と学生納付特例の月は「追納」で納め直せますが、それも10年以内まで。私の場合は、どちらも期限を過ぎていました。
60歳からの「任意加入」で取り戻すべきか
残された方法が、任意加入です。60歳で会社を辞めたあと、65歳になるまでのあいだ、国民年金に自分で入って保険料を納められます。足りない月を、最大60か月分埋められます。
| 金額(2026年度) | |
|---|---|
| 払う保険料 | 月17,920円 × 60か月 = 約107.5万円 |
| 増える老齢基礎年金 | 847,300円 × 60 ÷ 480 ≒ 年約10.6万円 |
| 元が取れるまで | 約10年(75歳ごろ) |
75歳より長生きすれば、払った以上に戻ってきます。未納94か月のうち60か月しか埋められませんが、それでも年10万円は、老後の家計では小さくありません。
老後資金を試算してみて、長生きするほどお金が足りなくなる現実を知りました。ほかの手も考えながらですが、任意加入は、今のところ加入する方向で考えています。
まとめ
- 20代の未納94か月で、老齢基礎年金は年約16.2万円減る(25年で約400万円)
- ねんきん定期便の老齢基礎年金は、加入月数と満額だけで1円まで自分で計算できる。だから、未納の代償も同じ式で正確に出せる
- 時効を過ぎた未納は納められない。免除・学生納付特例の追納は10年以内まで
- 60歳からの任意加入で最大60か月分を取り戻せる。約107万円払って年約10.6万円増え、約10年で元が取れる
若いころの未納は取り消せませんが、いくら減っているかを正確に知れば、取り戻し方を決められます。ねんきん定期便が届いたら、一度この式で計算してみてください。