
家族3人の医療費83.6万円から、出産育児一時金50万円と10万円を引いた23.6万円が医療費控除に。所得税率10%で計算した額です
出産した年は医療費控除を使える可能性が高い年です。ただし出産育児一時金(50万円)は医療費から差し引かれるので、出産費用だけでは控除はあまり増えません。効いてくるのは、妊婦健診の自己負担や、家族みんなの通院・薬代です。我が家は医療費83.6万円で、約4.8万円税金が軽くなりました。
第一子が生まれた2025年、家族の医療費は1年で80万円を超えました。出産の年は医療費控除で税金が戻ると聞いていたので、確定申告をしてみました。
医療費控除の計算のしかた
医療費控除は、1年間(1月〜12月)に家族のために払った医療費が多いときに、所得から差し引ける制度です。
医療費控除 = 支払った医療費 − 保険金などで補填される金額 − 10万円
- 「10万円」は、所得が200万円未満の人は「所得の5%」になります
- 家族の医療費は、まとめて1人が申告できます。所得税率の高い人がまとめて申告すると、戻る額が多くなります
- 上限は200万円です
出産育児一時金は「補填される金額」として引かれる
ここが出産の年のポイントです。健康保険から出る出産育児一時金(50万円)は、「保険金などで補填される金額」として、医療費から差し引かれます。
我が家の2025年はこうなりました。
一時金を差し引けるのは、出産にかかった費用の分までです。出産費用が一時金の50万円に収まれば、出産そのものでは医療費控除は増えません。控除に効くのは、一時金を超えた分の出産費用と、出産以外の医療費の積み上がりです。
出産の年に積み上がる医療費
医療費控除の対象になるもの・ならないものを、我が家の例で整理しました。
| 対象になる | 対象にならない |
|---|---|
| 妊婦健診の自己負担(補助券で足りなかった分) | 妊婦用のサプリメント |
| 出産費用(一時金を超えた分) | 里帰りの交通費 |
| 通院のための電車・バス代 | 自家用車のガソリン代・駐車場代 |
| 子どもの通院・薬代、家族の歯科・皮膚科・眼科 | 健康診断(病気が見つからなかった場合) |
| あん摩マッサージ指圧師・はり師・柔道整復師(整骨院)による治療 | 国家資格のない整体・リラクゼーション |
我が家は、妊婦用のサプリメントを医療費に入れるか迷いましたが、治療のためではないので入れませんでした。施術を受けるところは、国家資格のある人による治療かどうかで分かれるので、領収書の発行元を確かめてください。
実際にいくら軽くなったか
医療費控除23.6万円に、税率をかけた額だけ税金が軽くなります。所得税率10%の場合はこうです。
| 税金 | 計算 | 軽くなった額 |
|---|---|---|
| 所得税(復興特別所得税を含む) | 23.6万円 × 10% × 1.021 | 約2.4万円 |
| 住民税(翌年度) | 23.6万円 × 10% | 約2.4万円 |
| 合計 | 約4.8万円 |
所得税は確定申告のあとに還付され、住民税は翌年度の税額が下がる形で戻ってきます。所得税率が20%の人なら、所得税の分は約2倍になります。
申告で気をつけたこと
- 申告は5年さかのぼれる:会社員が還付のためにする申告(還付申告)は、翌年の1月1日から5年以内ならいつでも出せます。我が家も、2025年分は2026年の夏に出しました
- 領収書は全部集める:家族全員分の病院・薬局の領収書を、1年分まとめます。我が家はレシートを撮るだけの仕組みで、医療のレシートを国税庁の「医療費集計フォーム」に自動で書き写しています
- ふるさと納税との関係:医療費控除で確定申告をすると、ふるさと納税のワンストップ特例は使えません。寄附金控除も確定申告に書きます(出産・育休の年のふるさと納税の記事)
2026年(二人目の年)の途中経過
今年は二人目が生まれる年です。9月までに集まった医療費は、65件・約30.9万円でした。出産前の時点で、すでに10万円を大きく超えています。
出産費用と一時金の差、10月以降の通院を足して、2027年に申告したら、この記事に答え合わせを追記します。
まとめ
- 医療費控除 = 医療費 − 補填される金額 − 10万円。家族の分はまとめて申告できる
- 出産育児一時金(50万円)は差し引かれる。出産費用だけでは控除はあまり増えない
- 効いてくるのは、妊婦健診の自己負担や、家族の通院・薬代の積み上がり
- 我が家は医療費83.6万円で、医療費控除23.6万円、税金が約4.8万円軽くなった
- 還付申告は5年さかのぼれる。去年の分を出し忘れていても間に合う